2024/05/13 16:10
期間 5月15日(水)~5月21日(火) ※21日は店主不在のため買取は預かりとさせて頂きます。
時間 11:00~17:00
場所 三浦市南下浦町菊名493
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先日「不気味な書き出し」を文藝で募集していたのを偶然見て、書き出しの印象的な小説をぼんやり考えていました。ホラー小説は読まない(読めない怖くて)ので不気味とは少し違うような気もしましたが、思い浮かんだのは
「その日のうちに、姉はこの世の人ではなかった。」
「歩いていると、ついてくるものがあった。」
の二つです。古井由吉の『行隠れ』と川上弘美の『真鶴』
そういえば、両者とも書き出しが印象的な作品が多いなと気がついて、店にある小説の冒頭だけ読むという遊びをしました。
「くまにさそわれて散歩に出る。」川上弘美『神様』
「腹をくだして朝顔の花を眺めた。」古井由吉『槿』
「あれは何と呼んだか、頭巾か帽子か、茶人のかぶる隠居のかぶる、宗匠のかぶる、いやたしかに僧侶らしい、品よく痩せた老人が食堂車の隅の席で、二重回しというのか和服の外套の、ゆるやかな袖の内から両手を端正に動かして、ナイフとフォークをつかっていた。」古井由吉『山躁賦』
全く仕事になりませんでした。本屋は恐ろしい場所です。
みなさんの好きな書き出しはなんですか?
ということで久しぶりの事務所開きとなります。
店内の書籍やレイアウトも変化しておりますので、ぜひ覗きにいらして下さい。